きかんしゃトーマスに関する様々な動画をアップしているYouTuber、The Unlucky Tug氏の新作動画がアップロードされました。「The Thomas Retrospective」第12シーズン編です。
この「The Thomas Retrospective」は、投稿者The Unlucky Tug氏がきかんしゃトーマスの各シーズンを順番に、共通する複数の視点からレビューしていくシリーズです。2022年の2月に投稿された第1シーズン編を皮切りに数か月に1本のペースで更新され、今回は第12シーズン編、模型を撮影して作られた最後のシーズンです。
この動画シリーズはどれも以下のセクションから成り立っています。
① Production History(製作過程)
製作時期や使われた模型の解説、主な製作スタッフの紹介など。
② Overview(全体概要)
優れた点や悪い点も含めた、シーズン全体の特徴。
③ Characters(キャラクター)
主役を張った回数の多いキャラクターベスト3の発表、新キャラクターや目立ったキャラクターについての紹介。最後にそのシーズンで最も活躍したキャラクターをMVPとして取り上げる。
④ Episodes(エピソード)
そのシーズンの中で最も優れたもの、最も悪いもの、そしてそのシーズン全体の特徴が最もよく表れたエピソード(Sum-Up episode)が発表される。The Unlucky Tug氏本人が好きなエピソードの紹介もある。
⑤ Conclusion(結論)
もしそのシーズンを1語(あるいは1フレーズ)で表現するとどんな言葉が最適か
この5つの観点はどのシーズンの分析でも共通しています。②から⑤に関しては投稿者であるThe Unlucky Tug氏の主観を通した分析であるものの、かつてきかんしゃトーマスのファンだった自分から見ても、その意見はどれも妥当であると感じられるばかりか、今まで持ったことのない視点や気づいたことのない情報にあふれており、とても楽しいです。
今回の動画は第12シーズンを扱ったものでした。製作に模型が使われた時代とCGが使われた時代の境目にあたるということで、トーマスシリーズの製作史的には重要な位置づけを占めるのでしょうが、このシーズン自体は日本で未放送ということもあり、思い入れはまったくありません。
この「The Thomas Retrospective」シリーズ、次は完全CGに製作が移った第13シーズン(並びに長編"Hero of the Rails")を取り上げることになるんでしょうが、ここから第16シーズンまでの4シーズンは脚本の質が非常に低いことで悪名高い。どのエピソードもまったく同じ構成になっているんですよね。ファンの間では"Three strikes formula"と呼ばれる形式です。これは何かというと、「主役となるキャラクターが同じ失敗を2度繰り返しても気づかず、3回目で大惨事が発生してその失敗に気づき、それを挽回する」という形式のことです。全てのお話がこれでできています。だから全然面白くない。第17シーズンに至って脚本のスタイルが改められ、エピソードも幾分か面白くなるのですが、「The Thomas Retrospective」シリーズがそこに行きつくにはまだしばらく時間がかかりそうです。
最後に、第13シーズンの「The Thomas Retrospective」の内容を少し予想して終えたいと思います。
・MVPキャラクター:スペンサー
・最優秀エピソード:Creaky Cranky
・最低エピソード:Slippy Sodor
・最もそのシーズンらしいエピソード:Play Time
・一語で表現するなら:"BLAND"
どうでしょうか。結果が発表されるのは数か月先でしょうが、気長に待つことにしましょう。